本文へ移動

野の花のメッセージ

2018-06-30
ホタルブクロ
トラノオ
今年も早いもので半年が経つ。みしまの里山には「ホタルブクロ」「トラノオ」などの物静かな佇まいの野の花が咲く季節になった。同時にこの季節は自然災害も多くなる頃だ。時に土木技術者の端くれ者は雨脚に気をもみ、雨上がりの山道を相棒のエスクードと駆け回る。ひとりでは何もできないと知っていながら…。時折、その山道の傍らで出会う野の花たちが「山長組さん、そんなに急いでどこに行くんだ」「わたしたちをよく見ていきなよ」…と語りかけていると感じることがある。
先達の土木の偉人の碑文を紹介したい。世紀の大仕事「大河津分水路工事」を指揮した土木技術者「青山士(あおやま あきら)」氏の碑文、その洗堰の傍らにある。
『 万象ニ天意ヲ覚ル者ハ幸ナリ 人類ノ為 國ノ為 』(万象に天意を覚える者は幸せなり 人のため国のため)
後世の我々に、土木技術者としてのあり方や心構え、そして土木事業の目的を教えてくれている。とても感銘深い。その解釈は「人の力は、天の力、自然の力には決しておよばない。ほんの小さなことであっても、それをおろそかにすれば大きな損失、失敗につながる。人々が力を合わせて国土の保全、国民の安全を守ろう」だという。
そうだよな。自然をよく見て感じることだよな。ほんの小さなことであっても…。 “まじめに面倒くさがらずに ” 仕事をすることって大切だな。あっ!ホタルブクロやトラノオもこれを言いたいのかもしれない。雨上がりの空に野の花のメッセージを感じた。